12.バイヤーからの支払期日の変更要因別にどのように対応しますか?
セラーは、
保険証券等でもって内容変更等通知期限がどのようになっているかを点検し、例えば、(A)保険金額の増額(10%以上。)、(B)保険期間の延長(支払期日の延長等。)や(C)リスク変更(輸出契約等の相手方の変更等。)に対して包括系は変更日から1月以内、かつ、所定の内容変更等通知期限までに通知しますが、個別系は「オプション扱い」です。包括系でも例えば国別引受方針での引受基準の範囲外(基準外案件のこと。)に係る変更に関しては、個別系と同様に原則「オプション扱い」です。
(注)オプションで変更通知等を行わないときに当該変更要因による保険事故になった場合には、保険契約の変更が行われておりませんから、「不てん補扱い」です。
1.期日延長都度の手続き
(1)中小企業・農林水産業輸出代金保険
セラーは、期日変更の都度、「オプション扱い」のもとで通知します。
(2)簡易通知型包括保険
セラーは、決済期間のカテゴリーを変更した都度、通知します。
(3)輸出手形保険
セラーは、期日変更の都度、「オプション扱い」のもとで買取銀行経由通知します。
(4)貿易一般保険
セラーは、個別系および基準外案件の包括系で「オプション扱い」とし、包括系で原則通知します。
2.期日延長手続きの不要
限度額設定型貿易保険では、(1)仕向国の追加および(2)支払限度額の増額だけであって、それ以外はセラーの自己判断に任されております。
セラーは、保険会社との包括契約を締結し、積出し後にバイヤーから延長要請を受けますと、特定3要件に該当していないかどうかを点検し、該当していた場合は、合意前に保険会社あてに事前承認申請しなければなりません。具体的には、次のとおり。(追加保険料はゼロ。)
(1)クレジットリミット撤回後の延長要請
セラーは、クレジットリミットの撤回の背景を調べた後、バイヤーの経営支援を行うかどうかを見極めてから保険会社あてに事前承認を申請します。
(2)最長決済期間を超える場合の延長要請
セラーは、バイヤーの経営実態を把握し、バイヤーをサポートするかどうかを見極めてから保険会社あてに事前承認を申請します。
(3)「支払遅延通知書」を提出した後の延長要請
セラーは、そのバイヤーに対して既に「支払遅延通知書」を提出済みであって、保険会社に全面的な回収介入を希望し、そのプレッシャーから延長要請につながっていることが想定できますから、保険会社あてに事前承認を申請します。
(1)内容変更の要件はどうなりますか?
ここでは、変更要件等が(a)包括契約等の枠組み変更だけのもの、及び(b)当該枠組み変更に輸出契約等の変更を加えるものに分けられますが、両者が併存したり、そうでなかったりするかどうかです。
公的保険では、限度額設定型貿易保険では支払限度額の増加と仕向国の追加というだけです。簡易通知型包括保険や企業総合保険では支払限度額の増加ですが、当該設定日から3月後で1回限りのものです。変更申請案件は輸出契約等に「重大な変更」を加えたものです。
また、民的保険では、通常、大口バイヤーの追加に伴う支払限度額の増加や対象国の追加です。(異動承認申請書)そして、変更申請案件は決済期間の変更です。(決済期間の変更承認請求書)
2スキームで関心のあるのは、包括契約の枠組みに追加できるところです。