9.ユーザンス180日を境にしてどのように保険を選びますか?

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セラーは、日本貿易保険のスキームに対してユーザンス180日を境にし、継続取引の有無や対象バイヤーのリスク分散等でもって選びます。

1.ユーザンス180日以内の場合

包括系では、継続取引で対象バイヤーにリスク分散がある場合における原則船積後損失に対して(1)簡易通知型包括保険および船積前損失+船積後損失に対して(2)企業総合保険のいずれかを想定し、プロジェクト取引に係る「すそきり金額」(保険をかける最低契約額のこと。)以上の契約に対して(3)組合包括や(4)技提包括を想定することができます。

個別系では、継続取引に対しては(5)限度額設定型貿易保険、スポット取引に対しては船積後損失に対して(6)中小企業・農林水産業輸出代金保険(7)輸出手形保険(ただし、荷為替手形の買取銀行が被保険者として保険金を受領するもの。)または船積前損失+船積後損失に対して(8)貿易一般保険の4本を想定することができます。

2.ユーザンス180日超の場合

包括系では、ユーザンス1年以内は(1)から(4)、ユーザンス1年超から2年未満は(2)から(4)までの保険を想定し、個別系では(7)輸出手形保険(8)貿易一般保険の2本を想定することができます。

 

 

 

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セラーは、保険会社のスキームに対してユーザンス180日を境にし、利便性の有無と保険料コストの多寡だけでなく、与信管理の向上に役立つかどうかでもって選びます。
1.ユーザンス180日以内の場合
セラーにとって(1)新規バイヤー≧(2)シニアバイヤー≧(3)L/Cバイヤーの場合は、包括系の保険でもって危険の分散を図り、かつ、保険会社の審査力をプラスすることによって与信力を充実することができます。そうしますと、新規バイヤーの開拓にエネルギーが集中しやすくなり、売上の増加に弾みがつくことが想定されます。(売上アップ。)

しかし、セラーは、L/C原則を与信方針にすることがあります。セラー側では、(1)新規バイヤー≦(2)シニアバイヤー≦(3)L/Cバイヤーの傾向が次第に高まり、L/C取引以外の商談は次第に縮減することがあります。それは、ビジネスチャンスを少なくし、売上高の下落を招くことも想定されます。(売上ダウン。)
2.ユーザンス180日超から原則5年間の場合
セラーは、当該ユーザンス期間中におけるバイヤーの支払い能力をどのように予測するかが求められます。しかし、それは難しく、そのリスクヘッジとして個別系の保険を考慮することがあります。そこでは、社内でのコンセンサスが得られ易いですが、逆に保険会社側が謝絶することも想定されます。


(1)ユーザンス180日以内の継続的取引に対して保険をどのように選びますか?

 ここでは、保険の選び方が(A)保険会社自体を選ぶか、それとも(B)シングルバイヤー、転売のし易さ、ユーザンスの長短の混在等に対して選択の尺度になるかどうかです。
 公的保険では、ユーザンス180日以内では貿易量により、例えばシングルバイヤーとして限度額設定型貿易保険、転売のし易さから簡易通知型包括保険、ユーザンスの長短の混在度合い等から企業総合保険です。
 また、民的保険では、包括系と個別系が併存しておりませんから、選ぶのは保険会社自体です。そのときの選択肢は、(A)保険料の多寡や(B)利便性だけでなく、(C)希望どおりクレジットリミットを設定して貰えるかどうかです。
 2スキームで関心のあるのは、スケールメリットを期待できるところです。