15.どのようにして回収金を返還しますか?
セラーは、保険金の請求時に日本貿易保険から指示を受けた回収方策に基づいて回収協力を図ることがあります。その後、回収協力に成功した場合には、セラーは「回収金通知書」を提出します。その場合、セラーは、回収金に係る日本貿易保険の配分額の残りと控除利息を取得し、日本貿易保険の取得する金額を所定の期限までに納付します。
納付額=回収金額×(支払保険金額/対外未回収額)-控除利息充当額
そのタイミングは、保険金を請求した後に代金を回収した場合は、回収した日(保険金の支払いを受ける以前に回収した場合は保険金の支払いを受けた日)から1月以内です。
また、セラーは、サービサーに依頼しないで日本貿易保険の指示に従って回収方策を実施し、回収費用が発生した場合には、回収金の有無にかかわらず、保険金請求後6月毎に費用負担分について請求することができます。
負担額=回収費用×(支払保険金額/対外未回収額)
セラーは、保険会社あてに「支払遅延通知書」を提出した後にバイヤーから保険会社でなく、セラーあてに貨物代金が送金されてくることがあります。その場合には、セラーは、直ちに保険会社に報告します。
(1)回収金の充当方法
セラーは、「保険金請求書」を提出しても、保険金が支払われる前の段階で回収があった場合には未払金に充当しますが、その順序は請求書の発行順になります。
(2)回収金の帰属
保険金が支払われた後に回収金を受領した場合には、その回収金は保険金が支払われた範囲内で保険会社に帰属します。
回収金×縮小てん補率=保険会社帰属分
回収金-保険会社帰属分=セラーの配分額
この回収金は、保険会社に入金されますから、回収金から保険会社帰属分を差し引いた残りがセラーに配分されます。
また、回収金の総額が債権額を超える場合、その超過額は回収費用を差し引いた後、セラーに返還されます。
(債権額-回収金)-回収費用=セラー返還分
(1)回収協力の報告はどうなりますか?
ここでは、セラーの回収協力の履行報告が(A)保険金の支払い時に履行条件がついたときに報告するか、それとも(B)回収継続の場合に定期的に回収協力の報告を実施するかどうかです。
公的保険では、保険金を請求した後最初の2年間は3月毎(年4回分。)その後は1年毎(年1回分。)です。(サービサー回収のときは不要。)
また、民的保険では、回収協力に対する定期的に報告する義務がありませんが、保険金の支払い時に履行条件がつくときは、その場合の報告が想定されます。(案件対応。)
2スキームで関心のあるのは、現地側での担保処分にあたって保険会社からのサポートを期待し易いところです。
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